ホームレスおじいさんとクリスマス
ホームレスおじいさんとクリスマス
先日、大阪の梅田に行くことになりました。
阪急電車の京都線で電車を待ち、しばらくすると電車が来ました。
僕が電車に乗ったら、目の前に空き缶がいっぱいになった袋を、2袋も持ったおじいさんがドアのすぐそばに立っていました。
その袋の大きさは、おじいさんの腰ぐらいまである高さで、また汚れてもいました。
おじいさんは、見るからにホームレス。
電車の座席はたくさん空いていたのに、座らずにドアのそばに立っていました。
当然ながら周りの人は見て見ぬふり、かかわりたくない、そんな空気が車内を覆い、おじいさんの存在を消そうとしていました。
僕は目の前にいる、おじいさんの事が気になっていました。というか、気の毒な気持ちでいっぱいでした。
人目を気にせずゴミ箱をあさるおじいさん
乗り継ぎで、次の駅で電車を降りると、そのおじいさんもおりました。
おじいさんが、電車から出ていくと、やはり周りの人の目は冷ややかであったりました。汚い大きな袋を2つも抱えたホームレスが突然電車から出てくれば、誰もが驚くのは仕方がないのかも知りません。
電車から降りるとおじいさんは、駅のゴミ箱をあさり、空き缶を集めていました。
たぶん、このおじいさんは、各駅でおりてはゴミ箱をあさり空き缶を集めていたに違いありません。それで、袋もあんなに大きかったのでしょう。
当然ながら、ゴミ箱をあさっているおじいさんには、周りの人たちの冷ややかな目が向けられていました。。。
昨日は、日本全体が大寒波で大阪も日中でも10度ちょっとぐらいだったと思います。
寒さがかなりきつい中、そのおじいさんは、靴下もはかず薄い長袖シャツと作業ズボンを着ていました。おじいさんが、僕らと同じように「寒い」と感じていたかは分かりませんが、見ていてただただ胸が痛くなりました。
欧米でのクリスマスと日本とでの違い
話はちょっと変わりますが、みなさん欧米でクリスマスがどんなものかご存知でしょうか?
日本では、クリスマスケーキやチキンを食べ、プレゼントを上げたりするのが主な事じゃないでしょうか。
もちろん、ほとんどの人がキリストの誕生日を祝う事とも知っていると思います。
欧米でもほとんど同じですが、ひとつ日本と違うのが、「クリスマスは他人に愛を与えるもの、困っている人や、貧しい人たちや、全ての人を助ける日でもあります」また、「家族のありがたさを感じる日」でもあります。
なので、まちかどで募金活動なども行われます。
かわいそうなおじいさんの事が気になり
話はもどりますが、僕は次の電車を待っていました。
でも、どうしてもおじいさんが気になり、なにかしてあげたくなりました。
僕は、おじいさんに近づき、そっと千円札を二枚、おじいさんに手渡しました。
たいした金額ではないですが、なにか温かいものでも食べてほしいと思ったからです。
おじいさんは、僕の行動に一瞬びっくりしましたが、状況がわかると、
「俺には必要ないから、こんなのわるいから」と断りました。
でも僕が、
「大丈夫、気にしなくていいから取っておいて、今日は寒いし」
と言うと、目に涙を浮かべ「ありがとう」って言ってくれました。
周りの人が僕の事をどう思ったかは知りませんが、僕は周りに目を向けることもなく、電車を待ちました。
おじいさんにクリスマスの大事な部分を気付かされた
電車に乗り、自分がとった行動が少し恥ずかしく感じましたが、「おじいさんは困っていたし、それにクリスマスも近いから良しとしよう!」と恥じらう自分に言い聞かせました。
車内の広告に目をやると、広告はクリスマスにちなんだものがほとんど。
おじいさんのおかげで、クリスマスの大事な部分の事を思い出すことができました。
ホームレスおじいさんありがとう。